プロフェッショナル心理カウンセラー(話を聴くプロ)がウクライナ避難民の心のケアボランティア活動に携わってきた、一般社団法人全国心理業連合会(全心連)ウクライナ心のケア交流センターに、大阪・関西万博でのウクライナ・ナショナルデーにあたり来日されていたオレナ・ゼレンスカ大統領夫人がお越しくださいました。ウクライナのファーストレディーがお越しくださったこと、大変光栄なことであり、プロフェッショナル心理カウンセラーボランティア一同、心より御礼申し上げます。社会の中でお役に立てる心の専門家として引き続き、戦争・災害等での心のケアボランティア活動や、ティーンエイジャーの心のケアなどに真摯に向き合って参ります。
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当日はまず、在日ウクライナ人の村上ダリアさんより、全心連ウクライナ心のケア交流センターの交流スペース内にある、ウクライナ図書館をご紹介させていただきました。このウクライナ図書館は、ウクライナ語の本が読める貴重な機会として、多くの日本にいるウクライナ避難民の方々が訪れます。
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オレナ・ゼレンスカ大統領夫人が主導する全ウクライナ・メンタルヘルスプログラム「HOW ARE U?」を展開する、ウクライナ閣僚会議メンタルヘルス調整センター センター長 ズビトニエワ・オクサナ氏よりご紹介をいただいた後、「日本の教育と心のケア」というテーマでプレゼンテーションをさせていただきました。
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日本とウクライナの子どもの心の現状、通信制高等学校やサポート校についてと集団学校との違い、東日本大震災後の心のケアボランティア活動での知見よりコミュニティの再構築について、心のケアの専門家チームがつくった通信制高校サポート校での取り組みについて、ウクライナ本国での心のケアについてなど、お伝えさせていただきました。
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通信制高校サポート校「アイディア高等学院」で学ぶウクライナ避難民の高校生や、就労支援の一環でウクライナ避難民の方々を採用する「ココロゴトカフェ」で働くカフェスタッフも同席し、オレナ・ゼレンスカ大統領夫人は彼らに優しくお声をかけてくださいました。
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最後に、ウクライナ本国でも提供した書道を通したアートセラピーをご紹介させていただきました。日本書鏡院会長の長谷川耕史先生のもと、オレナ・ゼレンスカ大統領夫人も書道をご体験くださいました。
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オレナ・ゼレンスカ大統領夫人SNSより

当日の様子はオレナ・ゼレンスカ大統領夫人のSNSにて、写真と、動画でご紹介くださいました。

写真投稿

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日本に住む1,500人以上のウクライナ人が、ここ「渋谷ひまわり(ウクライナ心のケア交流センター)」で支援を受けています。このセンターは、ロシアによる全面侵攻開始直後に、日本に避難してきたウクライナ人の心のケアを目的として設立されました。本日、私はこのセンターで支援を受けている数名の方とお会いしました。

一方で、日本の全国心理業連合会は、日本国内だけでなく、ウクライナ国内にいる人々にも支援を届けています。オンラインカウンセリング、ウクライナの専門家との知見共有、研修やワークショップ、シンポジウムなどを通じて連携を深めています。

本日お会いしたセンターの代表であり、全国心理業連合会の代表理事でもある方は、今年ウクライナを訪問し、現地の心理士たちにアートセラピーの手法を教えました。中でも、日本文化の核でもある書道は、心理的な安定を保つための大切な手段として紹介されました。

日本は、危機への備えや非常時における国民の支援体制において、世界でも類を見ない豊富な経験を持つ国の一つです。ここでは「脆弱さ」への敬意と「集団の安全」に対する責任意識が強く、医療と文化が融合する形で、あらゆる課題に対して解決策が根付いています。日本の心理カウンセラーの取り組み、そして彼らがサポートしてくれるウクライナ人と知り合う機会を持つことができ嬉しく思います。

ウクライナにも共有できる経験があります。全ウクライナ・メンタルヘルスプログラム「Ти як?(How are U?)」による、ストレス対処やセルフケアの方法を紹介するアニメーション動画シリーズが、日本語に翻訳・吹替され、EXPO 2025および日本国内の学校でも放映される予定です。翻訳・アダプテーション・ナレーションに携わってくださった日本のチームの皆さまに心より感謝申し上げます。

私たちは、両国の人々の心の安全を共に守っていきます。

動画投稿

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東京大学病院の神経精神疾患からの回復センターと、日本に避難したウクライナ人を支援するために設立された全心連ウクライナ心のケア交流センター「渋谷ひまわり」を訪問しました。どちらの施設も、メンタルヘルスに対する日本の体系的なアプローチの好例であり、感銘を受けました。このような取り組みは、ウクライナでも導入すべき貴重なモデルです。

重要なのは、すでに日本との間でメンタルヘルス分野における緊密な協力関係が築かれていることです。ウクライナのメンタルヘルス調整センターと日本の全国心理業連合会とのパートナーシップにより、共同研究、教育プログラム、専門知識の交換が進められています。

本日は、日本のパートナーと共に、ウクライナが進めているレジリエンスセンターの設立や、メンタルヘルス支援を地域社会に統合する取り組みについても共有しました。また、私が支援する全ウクライナ・メンタルヘルスプログラム「HOW ARE U?」が国際的な展開を迎え、日本で初めて、セルフケア技術を紹介するアニメーションシリーズが放映されることを誇りに思います。